消費者の皆様に油を安心して召し上がって頂く為に、油の製造メーカーは良好な油の品質を保持する必要があります。油の官能的、化学的、物理的な分析を行なうことにより、品質の良い油をご提供しております。
ご参考までに、現在JAS規格(日本農林規格)に基づいて製造されている植物油脂の規格項目について列挙します。もちろん市販されている植物油脂は、この規格項目に適合した製品です。
- 一般状態
油脂の味、香り、外観をチェックします。良好な油脂は、清澄で、香味を有します。
- 色
油脂の色は油種、製造方法、精製の度合い、劣化度によりことなります。サンプルを標準色との比較により、測定します。
- 水分
油脂に含まれる水分の量を測ります。普通は0.2%以下
- 酸価
油脂に含まれている遊離脂肪酸の量を測ります。油の中の遊離脂肪酸が増えると、味、香りが悪くなり、油がいたんでいる状態となります。
- 沃素価(ようそか)
よう素が油脂の二重結合に反応して、構成脂肪酸の不飽和度を示します。
油脂の不飽和度が高ければ、酸化安定性が悪くなります。
油脂が「乾性油なのか、半乾性油なのか、不乾性油なのか。」を区別する数字ともなります。
- 不鹸化物(ふけんかぶつ)
アルカリでセッケンにならない物質の量。
例)色素、ステロール、トコフェロール、高級アルコール、炭水化物など
- 比重
構成する脂肪酸の種類により変化します。
一般的な油脂の比重は0.90〜0.93。
- 屈折率
油脂により固有の屈折率を示します。油脂の鑑定、「他の油が混ざっていないか。」をチェックする為にも利用されます。
- 夾雑物(きょうざつぶつ)
試料を石油エーテルで洗浄した後の残渣(ざんさ)を目視により調査します。
- 金属
金属は、自動酸化を促進させ、油脂の保存期間を短くします。また油脂の安全性確認のために必要に応じて、砒素、重金属の分析を行います。