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シャー脂



生産国:アフリカ(ギニアからスーダンに至る地帯)
樹木の種子から圧搾法で得られる固体脂である。現地人の採油原料として重要であり、ヨーロッパに多量に輸出されている。果実は5cmぐらいの大きさで、果肉につつまれた核があり、核の含油量は45〜55%である。不鹸化物が多い。
カカオ脂またはイリッペ脂よりも不飽和度が高く、軟かいのでプレス法または溶剤分別法によって液体部分を分離してからカカオバター代用脂として用いられる。シャーナットの圧搾粕は有毒成分を含まないので飼料になる。
酸価1〜40、鹸化価178〜190、沃素価53〜65、不鹸化物2〜11%、屈折率nI1.463〜1.467、比重dK0.859〜0.869、融点32〜45℃である。脂肪酸組成例はパルミチン酸5.7%、ステアリン酸41%、オレイン酸49.0%、リノール酸4.3%であり、グリセライド組成はSSS 1.5%、SOS 41.5%、SLinS 7.5%,SOO+OSO32.0%、SLin+OOO 14.5%、そのほか2.5%である(Sは飽和酸、Oはオレイン酸、Linはリノール)。用途は、カカオバター代用脂のほか、調理用およびマーガリンの製造などに用いられる。

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